母と同級生




「どういうことだよ!」
週明けの月曜日、元哉は健太と京介に詰め寄っていた。
すっかり淫事が露呈した彼らは観念し、元哉に事の成り行きをぽつりぽつりと話し始める。
「実は誘ったのは・・・おばさんなんだ。元哉」
京介が言う。その目は真摯な物で、嘘をついているようには見えない。
「続けろよ・・・」
元哉は静かに京介を促した。最初の淫事が行われたのは、新学期が始まってすぐの休日。
二人は休日の午後を元哉を誘って、遊びに行こうと考え大内家を訪れたらしい。
しかし生憎元哉は不在で、応対に出た美奈子が息子は夜にならないと帰ってこないと言う。
二人が美奈子に礼を失した突然の来訪を詫び、帰ろうとすると優しく言ったという。
「ちょっと上がっていきなさいよ。お茶でもいかが?」
特に予定も無かった二人は、馴染みの深さもあって美奈子の言葉に甘えたらしい。
大内家に上がりこんだ二人と美母は、とりとめの無い話に華が咲いた。
そして会話が途切れた一瞬に美奈子が二人に尋ねてきたそうだ。
「ところでさあ、元哉って童貞?」
二人の少年は友人の美母から発せられた質問に、答えが返せない。
しかし、美奈子はしつこく二人に聞いたそうだ。
健太がたぶん、童貞だと思う、と答えると美奈子はおおいに喜んだそうだ。
・・・ここまで聞いて元哉は複雑な気持ちになる。いつぞやの休日に家を空けた覚えはある。
自分を訪ねてきた二人がお茶を飲んでいくこともあるだろう。
しかし・・・しかし、どうしても美母が自分の純潔の事を二人に尋ねることは考えにくかった。
「それで・・・その後は?」
京介は少し躊躇いがちになる。息子である元哉の前では言いにくいことなのであろう彼らの表情には、
はっきりと動揺が見られる。
「俺たちの間に隠し事は無しだぜ!そうだろ?」
元哉が語気を荒げると京介と健太が話を再開した。
息子の純潔を喜んだ美母は、次に目前の自分たちの純潔の事も聞いてきたと言う。
まるで自分たちが困惑する様子を楽しむようだったと健太は言い訳がましく呟く。
京介と健太が自分たちも純潔である事を告げると、美奈子はこう囁いたと言う。
「おばさんで、筆おろししない?」
一応の拒否は示したものの、憧れの美奈子がその身を以って女を教えてくれる・・・。
そう思っただけで京介と健太の理性は、どこかに飛んで行ってしまったらしい。
「あとは・・・元哉が見た感じ・・そのままだよ、俺たちおばさんに会うために毎週お前の家に遊びに行ってたんだ・・・」
申し訳なさそうに京介が言った。元哉は黙って聞いている。健太もいたたまれない様子で言葉を重ねた。
「ごめん、元哉。俺・・・おばさんの事好きだったし、どうしても断れなかったんだ・・・」
元哉は腕組をすると、ふうっとため息をついて更に尋ねる。
「学校のクラブハウスでの事は?」
「学校での・・事もおばさんが言い出したんだ。童貞限定って事で参加出来るイベントって事で。
おばさん、童貞の男が好きなんだって・・・」
これ以上の事は聞く必要も無いだろうと元哉は判断した。

話を要約するとこうだ。美母は自分の親友二人を誘うだけに飽き足らず、
童貞限定のイベントと銘打って少年たちの性をその淫身で受けては愉悦をむさぼっている・・・。
そしてその淫事は、今尚定期的に開かれては少年たちを狂喜させている・・・。
ここで元哉はある妙案が閃く。説明を終えて、元哉の言葉を待っている二人に向かってこう言った。
「参加してる奴等は、あれが大内元哉の母親だって事は知ってるのか?」
「いや、それは知らないはずだ。誰も面識は無いし、おばさんにはマスクをして貰ってるから。
一応、みんなには二十五歳のOLだって紹介してるんだ」
健太がそう説明すると元哉は不敵な笑みを浮かべて、胸の中で呟く。
(ふん、二十五歳のOLね。そう見えないことは無いな、母さんなら・・・)
いつまでも若さを保つ美母を思い浮かべて、納得する元哉。
そして先日見たSMの女王様よろしくのマスクをして嬌声を上げていたシーンもふつふつと呼び起こされる。
(童貞限定のイベントなら、俺も参加出来るって事だな。くくく)
今、元哉は怜悧な一匹の牡になっていた。優しい笑顔の代わりに冷たい淫心を携え、
目前の親友たちに向かって言い放った。
「・・・・・そのイベント、俺も出るぜ」

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